◆予防医療について
◆狂犬病予防接種
狂犬病は人を含めて発症すると100%死に至る恐ろしい病気です。
4月から6月まで狂犬病予防月間となっています。
狂犬病ワクチン接種は飼い主様の義務です。
愛犬手帳ご持参の上ご来院ください。
◆狂犬病予防注射と登録
ワンちゃんを飼っている人には登録と予防注射の義務があります。
登録は生後3ヶ月以上で行います(生涯1回)。
予防注射は毎年1回です。
登録 ¥3,000
注射 ¥3,850円
◆ 受け方
1.市町村の集合注射(毎年4月の指定日)
2.動物病院(4月から随時受付。なるべく6月までに接種しましょう)
◆ 当院の場合
島田市内の方は登録と注射が出来ます。
その他の地域の方注射のみ出来ます。
必ず愛犬手帳を持参のうえご来院ください。初めての子犬には愛犬手帳を発行します。
狂犬病は人にも感染する恐ろしい病気で治療法がありません。
必ず予防注射を受けましょう。
寄生虫「フィラリア」が、蚊の媒介によって心臓に住みつき、血液の流れを悪くします。結果、心臓・肝臓・腎臓・肺などの多くの臓器にさまざまな異常をきたします。ワンちゃんにとって、大変恐ろしい病気です。
◆ どのようにして感染するの?
フィラリアは、犬の体の中で、子虫を生みます。子虫は1ミリの1/3という小ささで「ミクロフィラリア」とよばれます。ミクロフィラリアは、血液と一緒に蚊に吸われ、蚊の体内で2週間ほど過ごしてから、再び犬の体に移されます。移された子虫を「感染子虫」と言います。感染子虫は、犬の体の中で育ちながら、心臓にたどり着き、15〜25cmもの大きさのフィラリアの成虫になります。
◆ どんな症状がでるの?
心臓をはじめ、ほとんどの内臓に障害がでるため、症状はさまざまです。外から見てわかる症状としては下記のようなことがあげられます。
● ゼーゼーとした咳が出る
● 血を吐く
● 血尿をする(赤ワインのような色)
● 運動を嫌がり、すぐ疲れたり、倒れたりするようになる。
● 腹水がたまる
● 貧血気味になる
● 元気・食欲がなくなる
◆ どんな治療をするの?
注射でフィラリアの成虫を殺す方法と、手術で成虫を取り出す方法などがあります。成虫になる前の感染子虫を殺す予防法がもっとも一般的です。
◆ 予防薬について
予防薬は、月に1回飲ませるものと通年予防のフィラリア予防注射があります。この薬は、蚊の吸血によって犬の体内に侵入した感染子虫が、血管内から心臓内に達する前に(感染後約2ヶ月)子虫を殺滅するという予防薬です。子虫が血管または心臓に入ってしまうと、予防薬の効果はありません。
◆ まずは、検査を受けましょう。
血液検査で寄生の有無が確認できます。はじめて予防する場合は、まず当院までご相談下さい。また、予防方法についてもよく相談して、適切な予
防をしましょう。
【血液検査内容】
わんちゃんの健康状態に合わせて以下の選択肢があります。
① フィラリア検査 + 一般検査
② フィラリア検査 + 一般検査 + 生化学5項目(肝・腎・血糖値)
(7歳以上の子にオススメ)
③ フィラリア検査 + 一般検査 + 生化学10項目(肝・腎・血糖値・資質・電解質)
(7歳以上の子・太り気味の子にオススメ)
生化学検査で病気の早期発見につながります!
血液検査はトリミングでお預かりの際に済ませてしまうことも可能です。
フィラリア症感染の仕組みを動画で確認
●子犬への注射
病気の種類により異なりますが、生後2〜4ヶ月頃までの子犬には母親ゆずりの免疫を持っている場合があります。
この免疫を持っている間は病気にかからないという利点がありますが、同時に、この間はワクチンを注射しても効果が得られない時期でもあります。子子犬にワクチンを注射するには、この母親ゆずりの免疫がなくなる時期を待っておこなわなければなりませんが、その時期は子犬によって個体差がありますので、2〜3回あるいはそれ以上のワクチン注射をする必要があります。
●成犬への注射
初めてワクチンを注射する場合は4週間隔で2回の注射が必要ですが、以降は毎年1回注射で感染あるいは発病を防ぐために必要な免疫が得られます。
●免疫の持続
ワクチンでできた免疫の持続期間は約1年間です。
●ワクチン注射後に注意していただきたいこと
ワクチン注射後すぐに抵抗力がつくわけではありません。他の犬との接触を出来る限り避け、種々のストレスを与えない様注意してください。
以下の伝染病を混合ワクチンで予防することができます。
○ジステンバー
感染力が強く、病犬から直接的、または食器などを通して間接的に感染します。
発熱、咳、下痢、神経症状などさまざまな症状が現れます。
死亡率も高い病気で、治っても後遺症にしばしば悩まされます。
○アデノウイルス感染症(2型)
犬アデノウイルスには1型と2型の2種類があります。
1型は子犬の突然死や発熱、下痢、嘔吐、肝臓の痛みや、
角膜の白濁などの症状を示す犬伝染性肝炎を起こします。
2型は肺炎や扁桃腺炎などの呼吸器病を起こします。
○パルボウイルス感染症
大変強いウイルスで、普通の消毒では効かず、6〜7ヶ月も生き延びます。
子犬が突然死する心筋型と激しい下痢や嘔吐を特徴とする腸炎型があります。
○犬パラインフルエンザウイルス感染症
アデノウイルスやマイコプラズマなどいろいろな病原体と混合感染して
呼吸器病を起こします。肺炎や気管支炎を起こし、激しい咳を特徴とします。
伝染力が強く、空気感染もします。
○レプトスピラ病
病犬だけでなく、ネズミの尿からも感染します。
発熱、嘔吐、下痢、腎炎などを起こし死亡することもあります。
人にも感染する人畜共通伝染病です。
○伝染性肝炎
咳を主な症状とする呼吸器官系疾患をおこします。
特に、他ウイルスや細菌と混合感染することにより症状が危篤になります。
○コロナウイルス感染症
腸炎を引き起こします。子犬の場合の症状は嘔吐と中〜重度の水様性下痢。
パルボウイルスやジステンパーウイルスと混合感染すると症状が危篤になります。
※接種プログラムに関しては、年齢、環境、栄養状態により異なるのでご相談ください。
現在ワクチンで予防できる猫の病気には以下の5つがあります。
1.猫ウイルス性鼻気管炎
2.猫カリシウイルス感染症
3.猫汎白血球減少症
4.猫クラミジア感染症
5.猫白血病ウイルス感染症
1~3は3種混合ワクチンで、1~5は5種混合ワクチンで予防します。
1.猫ウイルス性鼻気管炎
くしゃみ、発熱、食欲不振などに始まり、鼻水、咳、鼻炎、呼吸困難など、
典型的な風邪の症状をあらわします。また結膜炎も起こします。
猫の鼻風邪の40〜50%はこのウイルスによるものであると言われており、
直接的な接触または人の手によっても媒介されます。
2.猫カリシウイルス感染症
発熱、くしゃみ、鼻水などを起こす猫の風邪です。症状が進むと舌や口の周りに潰瘍ができます。
時には肺炎で死亡することもあります。主に飛沫により感染します。
3.猫汎白血球減少症
食欲や元気がなくなり、発熱、嘔吐、下痢を起こします。
体力のない子猫が感染すると致死率が90%にものぼる怖い病気です。
4.猫クラミジア感染症
かぜのような症状や、結膜炎、角膜炎などの目の病気を起こして2〜6週間続きます。
他のウイルスや細菌との混合感染によって症状がひどくなり、肺炎になったり結膜炎が慢性化します。
感染している母猫から生まれた子猫は眼炎や肺炎を起こして数日で死亡することもあります。
5.猫白血病ウイルス感染症
白血病やリンパ種、貧血、流産などを起こします。
一般的には食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢、鼻水、体重減少などの症状があらわれます。
感染している猫も発病するまでは健康に見えますが、ウイルスを排泄し続けており、
その80%が3年以内に死亡するといわれています。
また病気に対する抵抗力が弱まるため他の感染も起こしやすくなります。病猫の唾液から感染します。
ワクチネーション・プログラム
今年生まれた子猫ならびに、猫白血病や猫クラミジア感染症に対するワクチンを今年はじめて注射する成猫に対しては3週間隔で2回注射します。
その翌年からは、年1回の注射により免疫は維持されます。
星の動物クリニックはペットの長生きを応援します!
犬や猫は人間より加齢のスピードが早く、1歳で人間に換算して17歳くらいになり、その後は約1年ごとに4〜5歳相当の年をとっていきます。
7歳(40歳)を過ぎたら年に1〜2回の頻度で1日ドック(健康診断)を受けられることをおすすめします。
仮に年1回の受診でも人間に置き換えれば4〜5年に1回だということを心にとめておいてください。
検査内容
●問診
現在の体調や病歴、普段の生活の様子や食事などもチェックします。また普段気になっている事がございましたら問診の際にお伝え下さい。
●身体検査
体重、体温、心拍数の測定を行います。また心臓の音を聴いたり全身を診たり触ったりして、異常がないか調べます。
●尿検査
尿は腎臓病、糖尿病、肝臓病などの全身状態を反映します。また尿石症の診断にも欠かせません。
●血液一般検査
貧血はないか炎症はないか血小板の異常はないかなど分かります。
●血液生化学検査
内臓が正常に機能しているかどうか各臓器のおおよその状態を検査します。
●レントゲン検査
胸部や腹部の写真を撮影することにより、外からは見えない内臓の形態を調べることができます。
●エコー検査
超音波を使って、肝臓、胆のう、脾臓、膀胱、前立腺など細かい内部構造を調べます。
●心電図検査
心臓肥大や不整脈などがないか調べます。
1日ドックの受け方
☆1日ドックは予約制となります。事前に受付けまたはお電話にてご予約ください。
☆午前10時までにご来院していただき、夕方までのお預かりとなります。
☆当日は朝から食事を与えないで下さい(お水はいつでも与えて構いません)。
☆出来るだけ新鮮な尿と便を持参して下さい。
☆暴れてしまうワンちゃん、ネコちゃんはすべての検査が出来ない場合があります。
その他、皮膚のトラブルが多い子はアレルギー検査、甲状腺ホルモンT4検査などもおススメします
◆ ノミ・ダニの予防
ノミのライフサイクル
さなぎは約10日ほどで、成虫へと羽化。さなぎの状態で1年近く生存可能。
・成虫の生存期間は、およそ10〜20日程度。
・1日に平均10〜20個を産卵。卵は飼育環境中に投下。
・産卵後3〜4日で成虫に孵化。
幼虫が孵化する時に卵の殻を破る卵歯。プログラムは卵歯形成を阻止する。
・成虫は2回の脱皮を経て、7〜18日でさなぎになる。
成虫の糞は幼虫の主な餌となる。プログラムの成分が含まれた糞を餌とする幼虫は脱皮できない。
成虫として見えるのは、環境中に存在するノミのわずか5%で、残りは卵、幼虫、さなぎの状態でお部屋の中に隠れています。
◆ ノミの被害
貧血・・・ノミ72匹が寄生していると、1ml/日吸血されます。血液の20%が減少すると貧血を起こしてしまう可能性があります。
ノミ刺咬症・・・ノミの刺す刺激、ノミの咬む刺激、ノミの吸血による刺激などによる強い痒み。
ノミアレルギー性皮膚炎・・・ノミが吸血する際に出す唾液成分による皮膚炎
瓜実条虫の媒介・・・瓜実条虫に感染したノミを食べることによって感染。瓜実条虫が多数寄生した場合には、元気消失、食欲不振、削痩、嘔吐、下痢等が見られます。
◆ 飽血雌ダニは地上で産卵
卵
幼ダニ…第1宿主(3〜12日)
吸血飽血後落下して脱皮
若ダニ…第2宿主(3〜10日)
吸血飽血後落下して脱皮
成ダニ…第3宿主(3〜15日)
成ダニは産卵のために吸血(他の発情期よりも長く吸血)
吸血前はわずか数mmのマダニの成虫ですが、飽血(最大限に吸血すること)すると体重は約10倍にもなります。
◆ マダニの被害
貧血
成ダニは約1 ml の血液を吸います。成ダニ20 匹が寄生した子(150g)は貧血を起こす可能性があります。血液の20%が減少すると貧血を起こしてしまう可能性があります。
アレルギー性皮膚炎
マダニが吸血する際に出す唾液成分による皮膚炎。
バベシア症の媒介
マダニが吸血する際に「バベシア」という寄生虫を犬の体内に送り込んでしまいます。バベシアは赤血球内に寄生し、発熱、貧血、黄疸、血色素尿を引き起こします。
ライム病などの病気の媒介
◆ マダニの対策
マダニは草むらや山林などに生息するため、散歩中についてしまうことがあります。体についたマダニを駆除する薬を定期的に投与したり、散歩後にブラッシングをするなど、日常のケアも重要です。
◆ 去勢・避妊手術について
大切な家族のこと、きちんと考え、対処してあげたい。去勢・避妊手術には、いろいろなメリットがあります。
◆ 女の子の場合
避妊手術をすると乳腺腫瘍のリスクを減らすことができるとされています。
初めての発情の前に避妊手術をすれば、避妊手術をしていない犬に比べて、乳腺腫瘍になるリスクは1/200になります。
それ以外にも子宮蓄膿症や肛門周囲ろうのリスクも低減するとされています。
愛猫の場合も同様に乳腺腫瘍や子宮ガンなどの病気になる可能性を低くすることができ、発情期の行動を起こさなくなります。
◆ 男の子の場合
去勢手術をすると前立腺肥大のリスクを減らすことができるとされています。
また精巣腫瘍のリスクはゼロになり、肛門周囲ろうのリスクも低減するとされています。
愛猫の場合は去勢手術によって尿スプレー行動や、ケンカをする可能性が少なくなります。
ペットの繁殖については、事前にきちんと考えておくようにしましょう。
【POINT】
去勢・避妊手術の目安
生後6ヶ月から9ヶ月くらいが適当かと思われますが、必ず診断を受けてから行いましょう。