犬も人と同じく風邪をひいた時やアレルギー症状として、くしゃみが止まらなくなることがあります。しかし、犬のくしゃみには他の理由があることをご存知ですか。愛犬のくしゃみの原因や、くしゃみが止まらない時にどう対処すべきなのか、原因や対策方法についてご紹介します。
犬がくしゃみをする原因は、主に5つあります。
- カーミングシグナル
- 異物による刺激
- においなどによる刺激
- 花粉症などのアレルギー
- 風邪などの病気
このように、犬のくしゃみの原因は様々です。5つの原因をさらに詳しく紹介します。
🐾カーミングシグナル
カーミングシグナルとは、犬が自分の気持ちを伝えるための行動のことです。体に異常が起きているわけではなく、興奮をしたり、ストレスや不安を感じたりした際に自分自身や相手を落ち着かせるために行います。
愛犬が遊んでいる時や、好きな人や犬に会った時に、クシュン!クシュン!とくしゃみをしている様子を見たことがありませんか。これは興奮している自分を落ち着かせるために行っています。
カーミングシグナルには、くしゃみ以外にもあくび、頭を振る、口を半開きにする、まばたきなどがあります。人や他の犬と友好的な関係を築くために、生まれつき備わっている能力とされていますので、こういったカーミングシグナルもくみ取って接してあげましょう。
🐾異物による刺激
ホコリやコショウなどの細かい異物を吸い込むと、鼻がムズムズしてくしゃみがでますよね。これは犬も同様です。犬は散歩の時や新しい場所へ行った時に色々なところのにおいを嗅ぎますので、ホコリ、砂、草など小さな異物を吸い込む可能性は高いです。
くしゃみは、これらの異物を排出するために行われる生理現象なので、基本的に心配ありません。
しかし、鼻を長時間気にしている場合には、もっと大きな異物が鼻の中に入っている可能性があります。ボタン、子供のおもちゃなど、遊んでいるうちに間違って鼻で吸い込むことや、誤飲をすることもありますので、気を付けましょう。
🐾においなどによる刺激
犬は嗅覚が非常に優れた動物ですので、刺激の強いにおいを嗅ぐことでくしゃみをします。例えば香水、煙草やお香の煙、殺虫剤、コショウなどの香辛料が挙げられます。
愛犬が自宅内で頻繁にくしゃみをする場合には、においの強いものが近くにあるかもしれませんので、犬から遠ざけてあげるようにしましょう。人にとっては良い香り、弱いにおいに感じても、犬にとっては刺激的ですので、消臭剤や殺虫剤などを無香料のものに変えるなどの工夫もしてみましょう。
また、空気清浄機などを設置し、くしゃみの原因となるにおいを除去することも有効です。
🐾花粉症などのアレルギー
もしアレルギーによるくしゃみの場合は、鼻水も一緒に出ることが多く、透明であまり粘り気がないことが特徴です。
アレルギーを引き起こす原因
- ハウスダスト
- スギ科、イネ科の植物の花粉
ハウスダストは、室内にいる限り年中アレルギー反応を起こす可能性があります。花粉が原因であれば、春先など花粉が活発に飛び交う特定の季節にくしゃみが増えます。
🐾風邪などの病気
くしゃみには次のような病気が原因であることも考えられます。
ケンネルコフ
- ケンネルコフとは伝染性の呼吸器疾患を総称する言葉です。犬伝染性気管支炎とも呼ばれ、くしゃみのほかにも咳や鼻水など人の風邪と似たような症状が出ます。免疫力が低いワクチン接種前の子犬や、接種回数の少ない子犬が感染しやすい病気です。
鼻炎
- 鼻腔内(鼻の穴)の粘膜が炎症を起こしている状態です。ウイルスや細菌、カビが鼻腔内に感染することにより発症します。くしゃみの他に目ヤニや流涙なども見られ、粘り気の強い鼻水が出ます。鼻炎が進行すると副鼻腔炎(ふくびくうえん)も起こり、完治が難しくなることがあります。
歯周病
- 歯周病もくしゃみを引き起こす原因となります。歯に関する病気なので関係なさそうですが、歯周病が悪化した結果、歯根に達した細菌が鼻腔にも到達することでくしゃみを引き起こします。
他にも、鼻腔内腫瘍といった病気の可能性もあります。愛犬が興奮をしているわけでもないのに、何度もくしゃみを繰り返していたり、食欲が落ちたり、鼻水や鼻血を伴う場合には、動物病院へ連れて行くようにしましょう。
小型犬に多い逆くしゃみとは
逆くしゃみとは、鼻から勢いよく空気を吸い込む発作性の呼吸の一種です。動作の特徴から逆くしゃみと呼ばれていますが、くしゃみではありません。小型犬の短頭種が発症しやすく、チワワ、フレンチ・ブルドック、パグ、 シー・ズー、ペキニーズ、トイ・プードルなどを飼われている方は見たことがあるかもしれません。
大きな音で鼻を鳴らしたり、苦しそうな呼吸をしたりする逆くしゃみですが、実は原因は明確になっていません。
長期間続く場合や、あまりにも頻度が増えている場合は、呼吸器官に何かしら問題が生じている可能性も考えられますので、動物病院へ連れて行きましょう。
また、その症状が本当に逆くしゃみなのかを診断するために、愛犬が逆くしゃみと思われる症状が出ている時に動画撮影をしておき、獣医師に見せるとより正確な診断に役立つでしょう。
くしゃみ以外の症状や異変が見られる場合には、
動物病院で診てもらいましょう
犬がくしゃみをする原因は、コミュニケーションのひとつであったり、単なる刺激への生理現象であったり、誤飲や病気まで様々です。くしゃみ以外に異変がないか、いつもと変わった様子はないかなど気にしてあげましょう。普段から愛犬をよく観察し、病気の心配がある症状が見られた時はすぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
文・監修:PECO
引用:Honda Dog https://www.honda.co.jp/dog/useful/sneeze/?utm_source=hondadog&utm_medium=email&utm_campaign=dog220930